通常の予想方法とは異なる方法で予想される「サイン馬券」や「サイン理論」。
そんなサイン馬券を生み出したのが競馬評論家であり作家でもある高本公夫です。
普通であれば、競走馬や騎手の情報、馬場状態、調教、天候、前走、外厩情報、パドックなどを見て予想を行い、馬券を購入しますよね。
様々な要素が複雑に絡み合う競馬は予想が難しく、予想のために必要な情報を集め、分析したりと手間も時間もかかります。
一方、サイン馬券の場合はこのような情報よりも何らかの「サイン」を重視して予想を行います。通常の予想方法とはかけ離れたものであるため、邪道扱いされることも多いサイン馬券ですが、実は根強いファンが多く存在しています。
この記事では今も多くのファンが居るサイン馬券の元祖と言われる高本公夫についてご紹介していきたいと思います。
サイン馬券・サイン理論について知りたい方や高本公夫について知りたい方は是非記事をチェックしてみてください。
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サイン馬券とは?
まずはサイン馬券についてご紹介します。
サイン馬券とは、競馬の勝ち馬を予想する方法の一つである「サイン理論」を使って購入する馬券のことです。ケントク買いとして扱われることもあります。
「メインレースの多くではレース前から既に勝ち馬や勝利する騎手が決まっており、特定の者に主催者または競馬の神様がサインを出して教えている」という発想の下で予想を行い、馬券を購入する。
人気馬では配当面の妙味が薄いため、基本的には穴馬を探すための手法であるが、人気馬を本命視する根拠の補強のために用いられることもある。
引用元:Wikipedia
Wikipediaではこのように紹介されています。
サイン馬券のサインとは「どこかから出されているサイン」のことで、オカルトのような扱いをされることもあります。また、競馬関係者やレース開催者が八百長行為を行っているという解釈も場合によっては可能となるため、そのような理由からサイン馬券を嫌う人もいるという話しもありますが定かではありません。
サイン馬券を知らない人からすれば「運に任せた怪しげな予想方法」のように見えるサイン馬券ですが実は奥が深く、サイン馬券に関する本も数多く出版されています。
競馬予想AIがいくつも誕生するなど、技術が進歩した現在でも根強い人気のある予想方法であり、芸能人や競馬評論家の中にもサイン馬券を購入している人は数多く存在しています。
インターネット上にはサイン馬券好きの競馬ファンが集まる掲示板もあり、思い思いのサイン理論を展開しているようです。
予想方法
サイン馬券の予想方法は様々です。下記でその一部をご紹介します。
- 記念日や時候などから連想される競走馬や馬主から予想を行う
- レース開催当日、競馬場にゲストとして訪れた著名人から連想される馬券を購入する
- レース開催当日の迷子案内から連想される馬券を購入する
- JRAなど、レースを開催する主催者が発行するポスターなどの広告に記載されているフレーズや、使われている写真などから連想される馬券を購入する
- レースに出走する馬の関係者の誕生日や冠婚葬祭から予想を行う
- 社会で大きな話題になっているニュースや事件、事故などの時事ネタから連想される馬券を購入する
このような予想方法の他にもよりオカルト的な発想の強い予想方法もあり、暗号解読やアナグラムなど様々な予想方法があります。
明らかにこじつけのような予想もありますし、レース結果が出た後で「あれはこんなサインだった…」としてサイン理論で振り返ることも少なくありません。
代表的なサイン馬券
サイン馬券の中には、かなり有名なものもあります。
サイン馬券はどのレースでもありますが、多いのが中央競馬の一年の総決算という位置づけの有馬記念のサイン馬券です。
有馬記念のサイン馬券は、レースの次の日にはスポーツ新聞などに取り上げられることも少なくありません。
有名なのが2001年のもので、菊花賞ではマンハッタンカフェが逃げるマイネルデスポットをとらえて優勝。そして有馬記念ではマンハッタンカフェとアメリカンボスが1着・2着となりました。
この3頭は「独裁者・ニューヨーク・大統領」と、その年起きたアメリカ同時多発テロ事件を連想させる名前であり、サイン馬券の的中例として知られています。
しかしながらあまりに悲惨な事件であることから、この時はサイン馬券に言及する人は少なかったようです。
また、面白いサイン馬券に「中山競馬場のレースはナカヤマの冠名の競走馬を買うだけで儲かる」というものがあります。
しかもこの話は実際、1989年から1999年の10年間のデータで、中山競馬場で開催されるレースで、「ナカヤマ」の冠名がついた競走馬の馬券を全て購入した場合の単勝と複勝の回収率がどちらも100%を超えるという結果が出ています。
サイン馬券の元祖・高本公夫とは
以上のように、サイン馬券は実は奥が深いものです。実際にサイン馬券を買ったことがない人でも、サイン馬券の予想方法は知っているという人が多いですよね。
そんなサイン馬券の元祖だと言われているのが競馬評論家であり作家の高本公夫(たかもと きみお)です。
ここからは高本公夫についてご紹介していきます。
競馬関連の著書がヒットして有名に
高本公夫は元々競馬関係の仕事をしていたという訳ではありません。
元々は私立高校で英語教師として仕事をしていたものの、作家を目指して35歳の時に再度上京。そうして出版業界に顔を出す中で、趣味の競馬予想にまつわる本を出版しました。
するとこれがヒットして話題に。高本公夫が出版した本の一部が下記になります。
- 馬連列島激震攻略本 : 馬連時代の「馬券の真実」をすべて公開
- 高本公夫のあたり馬券徹底ゼミナール
- 高本公夫&達矢のあたり馬券徹底ゼミナール
- ウルトラ馬券大作戦
- 最強の馬連馬券的中法 : “花札””将棋”に勝馬推理の強力ヒント!!
- 超大穴必中の新法則 : 十万円馬券も現実に!
- 超万馬券をとって歓喜する本
サイン馬券好きなら高本公夫の著書を読んだことがあるという方もいらっしゃると思います。今でも人気のある本で、サイン馬券を始めた人は高本公夫の本を読むそうですよ。
サイン理論の元祖
今となっては多くの人に知られるサイン馬券ですが、高本公夫がその元祖だと言われています。
そのため、サイン理論を使った予想のことを「タカモト式」もしくは「タカモト」と呼ぶこともあるほど。名前が付けられるほどですから、当時どれだけ話題になったかがわかりますよね。
一体どうして、高本公夫の「サイン」という予想方法が新しいものとしてここまで話題になったのかと言えば、それまで競馬予想に「サイン」のようなものが一切なかったからです。
当時は競馬予想の理論の本と言えば、競走馬の血統や持ちタイムなどに基づいた分析による本ばかりだったのです。
そして、高本公夫によるサイン理論は単なるこじつけとは思えないような内容でした。情報収集を徹底的に行い、地方競馬の調教師だった祖父の経験などを踏まえ、厩舎の人脈やJRAが行っていた集客のための戦略、馬主経済、競走馬の整理面など、様々な事柄の必然性を、しっかりと話の筋道を立てて唱え、レースの勝ち馬予想を行いました。
実際、高本公夫はまだ名前が知られないうちから東京スポーツでコラムを連載していましたが、次々と勝ち馬予言が的中。これをきっかけにしてタカモト式の信奉者が爆発的に増えていったのです。
競馬ライターの後藤豊は高本公夫のタカモト式について、記事でこのように話しています。
さて、高本氏が確立したのが「サイン馬券」である。たとえば枠順にヒントがあり、1番に●●ワンが、黒帽の2枠に●●ブラックという馬が入ったら勝負だ、という具合だ。「競馬には演出者がおり、すべては仕組まれている」という予想論が、多くの競馬ファンに知れ渡り、馬券の売り上げはグングンと伸びていった。
競馬雑誌もまた、高本氏のお陰で新たな読者層に支えられていた。草島たかよし氏や秋月薫氏を筆頭に数名のサイン馬券作家も出現したが、高本氏ほどバックボーンがしっかりした人はいなかった。
枠順と馬名のみならず、キャッチコピーの意図、あるいは場内放送にヒントがあった、などなど。予想術としては十分におもしろく、レースそっちのけで場内放送に耳を傾けたこともあった。
当時、高本公夫によるタカモト式が以下に競馬予想に大きな衝撃を与えたのかということを計り知ることができますよね。
しかしながら時代は流れ、取材システムが変化したり、トレーニングセンターが移転したことで、高本公夫が行っていたサイン予想に必要な情報が入手困難に。
これによって全盛期は終わったとされ、高本公夫の後期の著書はJRAの集客戦略のみに焦点を絞り強引にサインを読み取ろうとする、いわゆるオカルト的な内容に変わっています。
そして、他の競馬ライターや予想家たちが提唱する新しいサイン理論に飲み込まれていきました。
息子の高本達矢も競馬評論家に
高本公夫は1994年に亡くなってしまいましたが、息子の高本達矢も競馬評論家となり、父の跡を継いで馬券に関連する本をいくつも出版しています。
高本達矢は父の高本公夫とは異なり、全面的にサイン競馬を支持している訳ではないものの、サイン馬券ファンからは現在のサイン馬券の第一人者として知られています。
まとめ
サイン馬券の元祖として知られる高本公夫についてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
オカルトと言われることも多いサイン馬券ですが、実際に今までに的中しているサイン馬券はいくつもあり、そのような例を見てみると、とても「ただの偶然」で片付けられないようなサイン馬券の的中例もいくつも存在しています。
高本公夫は著書も数多く出版しているため、気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。